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トップインタビュー

豊かな創造性を発揮し、
社会貢献を果たす。
そのために、従業員
エンゲージメントの
向上を追求し続ける。

代表取締役社長山田 浩太

2022年より代表取締役社長に就任。2012年に当社へ入社後、経営企画や海外子会社においてマネジメント業務に従事し、取締役営業本部長、取締役管理本部長を経て現職に至る。これまで培った企業経営と人材マネジメントに関する豊富な知識、優れたリーダーシップを発揮し、アサカ理研の持続的な企業価値向上と経営体制の強化を牽引している。

社長就任にあたって学びを活かし、同志と共に組織の課題を乗り越えていく

2022年に代表取締役社長に就任しました。
まずはアサカ理研に入社されるまでの経歴を簡単に教えてください。

福島大学で4年間、経営学を学んだ後、兵庫県立大学で博士課程を修了し、経営学の博士号を取得しました。
博士課程では主に組織論・人的資源管理論を中心に学びました。博士論文のテーマは戦略的人的資源管理論にかかわるものであり、これは簡単に言うと「企業がとり得る戦略により、人への投資の在り方は変わる」というものです。
こういった学びがバックグラウンドにあり、今でも経営を考える上で大事な要素になっています。

アサカ理研への就職は在学中から意識されていたのでしょうか?

学生の頃は「大学で教鞭をとりたい」という思いが強く、アサカ理研入社を考えることはありませんでした。しかし、学んだことを経営に生かしてみたいという漠然とした思いを抱えるなか、卒業前年に東日本大震災によりアサカ理研も被災し、父である山田会長からの誘いに背中を押されたかたちで入社を決めました。

事業方針について生産性向上と価値創出で資源循環に寄与する

既存事業について、これからどのように進めていくお考えですか?

新規事業と既存事業では事業環境が異なるため、注力すべき課題が異なります。アサカ理研の柱である貴⾦属事業及び環境事業は創業間もないころから続いてきた事業であり、ある程度成熟してきました。電子部品の市場は今後も継続して伸びていくことが予想されていますが、これから大きくパイを増やすというよりは、既存の設備やプロセスの見直しにより生産性を高めていき、そこでの収益を原資として、今後伸びが期待できる事業へ積極的に投資をしていきたいと考えています。

2019年に本格参入したLiB再生事業については、どのようにお考えですか?

当社は有限な資源を再生することを通じてSDGs達成に貢献してまいりました。当社の社是では事業ドメインを明示していませんが、これまでもそうであったように、今後も環境負荷低減に寄与するリサイクル技術が我々のコアコンピタンスとなります。
新規事業においても、「LiB to LiB」という側面から技術・設備に積極的に投資し、リサイクル材料の製品化を推し進めることでサーキュラーエコノミーの一端を担い新しい価値を創出していきます。

経営方針について従業員と共に、自己実現を通して社会に貢献する

社長就任後の全社員へのメッセージでは、「アサカ理研の社是を実現したい」とお話しされていました。
入社当初からそのような思いがあったのでしょうか?

当然、アサカ理研を良い企業にしたいとは入社当初から思っていました。ただ明確に「本気で自分がやりたい」と思うようになったのは、実際に組織で人がどのように仕事をするのか、仕事を通じて何を感じるのかを少しずつ実感してからだと思います。
アサカ理研の役員・従業員は、自らが「豊かな創造性を発揮し社会貢献を果たす」ために仕事をしていることを意識し、実際にそれを自分事として実感できるというのが目指すべきところです。
そこで、「社是を自分に落とし込んでほしい」とお話しさせていただきました。

山田社長が社是の実現にこだわるのはなぜですか?

社是を実現したいと考える理由は2つあります。
1つは、良い企業とは、会社の目的を大切にして経営しているからです。会社の目的とは、会社が何のためにあるのか、存在意義は何かということを意味し、当社でいう社是に当たります。本来、企業はその企業の目的、存在意義を実現するためにあるはずです。その目的に対して従業員はもちろん、ステークホルダーからも強い共感を得られたなら、その実現のために協力し合えるし、共に成長していくことができるのではないかと思います。
もう1つは、社内プロジェクトやビジネススクールにおける従業員との交流を通して、「従業員の幸福」を重視した経営をしたいと思ったからです。これらの活動に参加した従業員に共通していたのは、自分たちに「何ができるか」という視点で、本当に真剣に、活き活きと議論していたことです。誰かの手助けになるために、誰かに貢献するために、自ら学び創意工夫をしながらチャレンジしていく。それは苦しみつつもモチベーション高く、やりがいをもってやれることだと感じました。
私は「こういった人たちとなら頑張れる」「こういう人たちに報いたい」と思うようになりました。その後、さまざまな部署へと異動しましたが、それぞれにそうした考えを持つ人たちがいることを知り、より思いが強くなっていったのを覚えています。

社長就任を機に全社的な改革をさまざまお考えかと思いますが、
具体的な取り組みはあるのでしょうか?

今現在進めているのは「人事制度改革」です。自分の中に叶えたいビジョンがあり、その達成のために自ら学びチャレンジできる人材が公正かつ適切に評価を受けられるよう制度を刷新し、やりがいを感じてもらえるような環境づくりをすすめています。加えて、従業員が個人ビジョンの達成に向けて集中して仕事に取り組めるよう、柔軟に働ける環境の整備、心身の健康維持の支援にも取り組んでいく予定です。
また、新規事業や新製品をコンスタントに生み出していける(=創造性を発揮できる)体制を整えたいと考えています。社是にもある「豊かな創造性」を発揮するのは従業員一人ひとりであり、人事評価や教育、採用についてもそれを軸として行っていくことが結果的に組織としての成果に繋がっていきます。
環境が激しく変化する昨今では、その時々に合わせて適応していくよりも自分たちの軸となる普遍的な価値観をしっかりと定め、その浸透を通じて全社が一貫して目的達成のために行動できるようになることが重要だと考えています。

山田社長にとっての「軸」とは、「従業員の幸福」を叶えることでしょうか?

創業者である祖父、そして現会長である父は「従業員の幸福」を最も重視して経営をしてきたと感じています。私も大切に受け継いでいきたいと思っています。
私個人としての役割を考えたとき、重要なのは「いかに報いるか」。従業員それぞれのビジョンを叶える支援をすることが、最も彼らの貢献に報いる方法なのではないかと思っています。
私たちは何かを達成できたと感じたとき、もしくはその達成のプロセスを通じて、たとえそれが結果に結びつかなかったとしても自身の成長を感じたときに、幸福感を感じます。その機会を提供できる組織を創ることが私のビジョンであるし、役割だと強く感じています。
従業員は誰か(顧客、同僚、組織、社会)に貢献するために自発的に学びチャレンジしていく。やりたいことを見つけて、その実現に向けて取り組んでいく。その過程で達成感や成長を実感して、自分の人生を豊かにしてほしいと考えています。
そして、会社はそれを支援することで「豊かな創造性を発揮し社会貢献を果たす」という社是を実現していく。共に成長していきたいと思っています。

最後に、従業員や株主・投資家の皆様にメッセージをお願いします。

新型コロナウイルスや地政学リスクの高まり、それに伴うエネルギー・資源価格の高騰など、事業を取り巻く環境は日々激しく変化していますが、社是である「豊かな創造性を発揮し社会貢献を果たす」はブレることのない当社の不変の価値観です。
更なる企業価値向上を図り、皆さまのご期待に沿えるよう努めてまいります。
今後ともより一層のご理解とご支援を賜りますようお願いいたします。